「…………」



「……!?」



狼?は大きな足をゆったりと動かし、堂々たる雰囲気を醸し出しながらあたしに近づいてくる。



で…デカイって……っ!!?



近づくごとにその大きさがはっきりわかる。軽く2メートルは超えているんじゃない…?



すくむ身体は縫い止められたように動かない。



こ…っ、こわい…っ!!



ついに狼はあたしの鼻先に……!!



くっ、食われ………っ!








――――ベロン!!



「……!?」



生あったかいモノがあたしの頬をべろりと舐めた。



「キャーッ!?…やっ!くすぐった……っ!!やははは……っ」



狼はあたしに噛みつくどころか、べろべろと遠慮なく舐めた。



あったかくて濡れた長い舌がめちゃくちゃくすぐったい……!



まさかの事態にひとしきり夜の公園で笑いころげてしまった。