「…もういいよ。」


告白も罰ゲームかなんかだった?それで今日も高木くんを寄越したの?
冷静に考えたらわかったことだけど、この一ヶ月気づく余裕なかったからな。
悲しいのと悔しいので私の心はぐちゃぐちゃだ。



「…でも折角作ったから食べて。いらなかったら捨てて。」



彼の手に彼の好きな青い包装紙で包んだそれを差し出した。

そうして最後くらいは潔く教室を出ていくはずだったんだ。



「渡す相手間違ってるよ。」

大好きな低い声が冷たく響くまでは。






「ひなちゃんは明が好きなんでしょ。」


明?高木くん?
なにそれ?
まったく話が見えないけど。

意味不明な私をよそに翔くんは不機嫌そうに話をすすめる。




「だからこれは…」


そう言って高木くんに渡そうとするからその手を思わず払いのけようとした。



「なにすんの!?」

「それ翔くんのだし!」


「だから…」
「翔くんのなの!」


「…嘘つき。」
「嘘じゃない」
「違うくせに!」
「違わない!」