また意味の分からない事を。
やはりこいつはヤられてる。



 「お前を盗みに…というのは冗談で。
この部屋、警察から逃げたり見張りするのにもってこいなんだよな。」




そう。
私の部屋は都会の真ん中ら辺にあるマンションだ。
丁度ベランダから出ると警察の本部が見える。




だからと言って…─




 『無理に決まってるでしょう?』




我が事ながら冷静な反応だと思う。
夜中に怪盗が私の部屋に忍び込んで来たのだ。

なのに何故だろう。
恐怖感というものが一切ないのだ。