センパイ達はあたしの周りに集まって
「ようこそー!」
「絶対俺のところにいれる!」
「嫌! あたしのところに入るの。ね?」
あたしがアワアワしていると、
「ほーら! どいた。今から朝海を楽器体験させないと!」
先生はあたしのほうを見ながら言う。
「どうしよう……」
「じゃあ。トランペット、ホルン、チューバ……って体験しておいで」
トランットと探していると
「こっちだよー!!」
という声が聞こえてきた。
次々と体験していったけど楽器吹くのって楽しいものだ。
最後はトロンボーンだった。
トロンボーンの一年生は春美だった。
「朝海! がんばれ!」
「春美ちゃんは練習♪練習♪」
「はーい!」
2年生のセンパイは5人。3年生のセンパイは2人。
2年生のセンパイ3人があたしに教えてくれた。
結センパイと優子センパイにシルバーセンパイ?
「マウスピース吹いてもらえる?」
男のセンパイっていうかシルバーセンパイ怖い。
「ダメだよ! シルバー! 優しくしなきゃ!」
「シルバーってやめてって言ったでしょうが!」
結センパイとシルバーセンパイが揉めているときに、優子センパイが教えてくれていた。
「あ! 優子ずるー!」
「朝海ちゃんドン引きだったよ」
あたしが笑うと、
「朝海ちゃん可愛い!!」
と結センパイが抱きついてきた。
その声と同時に他のセンパイも来た。
「本当だ! なんか美緒に似てるー!」
「本当ですね。ちょっとセンパイに似てます」
「茉理、渡辺! 1年生に失礼でしょう!」
「センパイも可愛いです!」
「優華。そんなこと言っても何も出ないよ?」
一番楽しそうなパートだな、って思った。
黙って見ていると、3年の茉理センパイと美緒センパイが「吹かせなきゃ!時間が!」
と焦って言っていたので本当に面白いパートだなって思った。