あたしは撮影が終わったら
千広先輩を呼び出した





旅館の庭…
静かで むしあつい











「…槌谷。」


「先輩すみません、呼んでしまって…。」



千広先輩はいやと首を振った






「その昨日はすいません。…神田くんが…」



「いいよ。驚いたけど…」





「……千広先輩」




「いつから付き合ってるんだ。神田さんと…」



「もう3年くらいには…、25から付き合い出して。隠していてすいません…その仕事に支障出したくなかったので…、」





千広先輩はそうかと頷いた




「ちゃんと好きなのか。神田さんの事…向こうから一方的とかじゃなく?」



「はい。……」








言わなくても待って
いてくれるとでも
思っていたんですか…?




…千広先輩の顔が見れない。





「……俺よりも好きなのか。」



「すいません。先輩…」




千広先輩に向かって
話してるのになぜか


頭のなかには
翔太君しか出てこない






結局はそういう事なのだ。


千広先輩はあくまで先輩



好きだったけど
もう時間が立ちすぎて




私は別の人を
好きになってしまった




あんなに優しく
してくれたのに…わたしは。