「お父さんお父さーん、ゆーき降ったよ」




「おぉ…っておぉ!」




ベッドで寝ていたお父さんを起こす



「つうことは今年もスキー行けるな槌谷選手!」


「やったね、」




寝ていたお父さんと一緒になって喜んだ





決まりごとみたいになってた
冬に雪が降ったらスキーに行く





「早くこないかなぁー冬休み」


「みちるはぁ…雪が好きだなぁ。前世は雪うさぎに決定だな」



「違いますぅ~。超うまいスキー選手だよ」




お父さんは はははと笑った




幸せでずっと続くと思っていた






「今日も遅くなるの?」

「多分なぁ、大丈夫だよ。環が来るからさ」




環とは
お父さんの弟の環おじさん


お父さんが仕事の遅くなる時に
よく来てくれてる



「わかった」


「ごめんな、」



遅くなるとき
お父さんはいつもわたしに謝っていた






お父さんは悪くないのに…


わたしはその顔を
見るのがちょっと辛かった










フツウじゃない子
だと言われてる気がした



お母さんのいないかわいそうな子…