「げっ、またまた神田爽。」
美帆が台本を閉じて呟いた
「あぁ…いるね。それより美帆…」
「それよりって、いいの…いとこじゃなかったらスタッフ総出で奇襲かけるわよ」
「わたしも。…」
袴姿のめぐみさんが後ろで同調した
「あら、一条妹。…結構話が分かるわね」
美帆はほぉと感心していた
「…あの子あたしの事きっと嫌いですよ。…ちぃ姉も気をつけてて」
「何でわかるのよ?やっぱ役者だからなの…」
嫌い…なのかな。
けど昨日は
あんまりそういう感じは…
「多分。あの子天然だけど、そういうきったない部分はうまく隠してる、そうゆう役したから分かるの。ちぃ姉」
「うん、気をつける。大丈夫だよ、」
「なんかちぃ姉がそういうとよけー心配…。」
「同感…、」
美帆は腕組み
しながらうんうん言った
そうかな…
「あ、一条さぁん。監督呼んでるよー」
「分かった。今いくから、とにかく気をつけて」
綾子役の春菜さんと
一緒に 監督のところに行った
「…そんなに信用ないの?わたし」
「…多少はあるわよ。ただあんたぼんやりしてるトコあるし、やっぱ心配なのよ」