「きてるって?」
私が不思議そうに訊ねると晴さんはうーんと言いながら言った。
「腹がたってるって事」
あーなるほど。
確かに、あんなに女子が群がったらそうだなぁ。
「香世さ」
「え?」
突然、晴さんに呼び捨てで呼ばれ驚く。
と晴さんはそうだったとでも言うように笑って続けた。
「香世って呼んでいい?」
私は戸惑いながらも、嫌がる理由が無いので「はい」と答えた。
「んじゃ、俺も晴でいいから。学年一緒だし」
晴さんがそういうと未玖くんも「僕も!」と言って笑った。
「うん。晴と未玖ね」
そういうと未玖は「よろしく~」と言って首を横に傾けた。