流石沙和さん…。
イッツ 無視ですね!
そんな事を思っている間も一向に姿を見せない先生。
…のせいで、今だとばかりに女子は未玖くんと尚と呼ばれる男の人…そして茶髪の男の人に猛烈アタックをしている。
取り残された男子は、先生が来るのを待ち望むようにしてドアを見つめていた。
ふうと私は小さくため息をついて机に顔を伏せた。
此処の先生方はとても緩いですね…。
そう心の中で呟き眠ろうとした時「いや~すまんすまん」と先生が笑いながら入ってきたので結局眠たいまま授業に…。
女子は少し不満そうな顔を浮かべながらも自分の席へと向かっていく。
私はポーチに入れたシャーペンを取り出し、まっさらのノートを開く。
「ねね、香世ちゃん僕にもシャーペン貸してくれない?」
小声で未玖くんがお願いのポーズで言った。