その事実を知ったのは、いつもと変わらない日の朝だった。




我が家の定番となっているトーストに味噌汁という微妙にアンバランスな朝食を食べていると…




「あ、そういえば美羽。椎名くん、帰ってきてるわよ」




キッチンで包丁を握っているお母さんが、今思い出したかのようにそう言った。




あたしと同じようにテーブルを囲んでいるお父さんと陽兄は、なに食わぬ顔をして食事を続けている。




だけどあたしだけ。




「ほぇ…?げっ、げふっ」




過剰なまでに反応して、見事に飲んでいた味噌汁を噴出した。