たしか自動販売機の影から出てきて、私を横切ったから・・・



勢いよくころがるようにして、子猫を捕まえる。

子猫は驚いて、私の手から逃げようと必死にもがく。


トラックが近づいてきた。



「お願いだから大人しくしてて!」



鋭い爪が腕に喰い込む。



「・・・・・いっ!・・・・・・もう、少しだから、お願い・・・」






埃と熱風を巻き上げて、トラックが通り過ぎる。


それをしっかり見送ってから、私は子猫を解放した。