何かが私を包んだ。

びっくりして後ろを見ると、私を包んでいたのは他の誰でもない、章吾本人だった。


私は男子に抱きしめられた事がなく、私の胸はドキドキを隠せなかった。次第に私の鼓動は速くなり息が荒れてきた。


そんな私に気付いたのか章吾はゆっくり私の体から自分の体を離した。



私は恥ずかしくなり、章吾をちゃんと見る事が出来なかった。



沈黙が続く中、先に口を開いたのは章吾だった。



「ゆかｯて本当に彼氏居ないんだな。ついでに、あんましさっきみたいにされた事ないだろ。」


と、章吾は言った。私は試されたの？と、心の奥底で思った。そして、私の中から怒りが芽生えた。


「章吾〜！！マヂあり得ない！人の事試すなんて！私、マヂで恥ずかしかったんだから！」


「まぁい〜じゃん！お前暖かかったし。笑」


「章吾のバカｯｯ！」


と、いつの間にか私と章吾の言い合いはじゃれあいになっていった。


二人で話していると、随分とながいトイレから帰ってきた凌が入ってきた。


「あれ〜お前らどしたんだ？随分仲良くなってね〜？もしや俺が居ない間に……なんかしてた？」