「マッジかあああ!」
菅井先生が出ていった後、一番に口を開いたのは勘違い野郎…じゃなくて、橋谷だった。
「美人なオネイサンって!あいつ…やるなぁ!」
「朝京見た奴いる!?…っていたらとっくに知ってるか…」
「隠れ高宮ファンの女子が聞いたら卒倒だよね!」
「あいつのこと変人だと思ってたけど…考え変わった、俺。高宮ごめん!」
一斉に喋りだしたクラスメートたち。
てか、変人って思ってた奴いんのか…ひど。
ざわめき出した教室をうるさく感じで、私は耳を塞いだ…のだけれど。
「ああぁ彩乃っ!」
一際甲高い声が私の耳元で響いた。塞いだ意味が無いほどに。