基本的にテンションの高い人だ。


正直、朝っぱらから絡むのにも疲れる。

だからオレは、道行く生徒の影に隠れて、上手く彼女をやり過ごそうと画策していたのだが……


梨木:
「おはようござっ……」

橘:
(げっ………)


梨木さんは割と律儀な性格で、道行く生徒一人につき一挨拶していたが故、バッチリと目が合っちまったワケだ。

オレはすぐに目を逸らし、知らん顔して校門を潜ってしまおうとしたが……


梨木:
「橘くん!!!!!!」

橘:
「ッ……!!??」


名指しかよッ!!??

梨木さんの呼びかけに、顔だけ後ろを振り返ってみると……




もの凄く眉間に皺を寄せている梨木さんが仁王立ちしていた……


橘:
(クッソ……めんどくせぇなー……)


頼むから朝っぱら説教とかしてくれるなよ!!??


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