「よし、着いた。」
バックミラーで少し髪の毛を整えるキョーさん。
そして車から降りる。
「これで大丈夫?」
ファッションチェック。
「うん、かっこいいよ。」
「よし!…あ、手土産忘れるとこだった。」
慌てて後部座席のドアを開け、お菓子が入っている有名な紙袋を取り出す。
こんな慌ただしいキョーさんも貴重だ。
「ただいま〜」
久しぶりに家のドアを開けた。
「おかえり〜早かったわね!待ってたわよ!早く上がって!!ほら恭平さんも!」
私の挨拶からすぐに、相変わらずテンションの高いお母さんが出て来た。
「お邪魔します。あ、これ貰ってください。」
と、先ほどの紙袋をお母さんに渡す。
「あら〜このお店、うちの家族みんな好きなとこのだわ〜。さすがね恭平さん。」
「ほんとですか?良かったです。」
こうやって改めてお母さんと私の恋人としてのキョーさんが話してるの見ると、なんだか変な感じ。