慣れないことは言わない方がいい。 私の顔と耳は、寒さではなく恥ずかしさで赤くなっていた。 キョーさんも 「珍しいね」 なんて笑っちゃってるし。 よしよしと私の頭を撫でていた大きな手は、背中に回された。 「なぁ、ユズ」 「ん?」 「好きだよ」 改めて言われると嬉しい。 「わ、私もだよ!」 「これからも一緒にいような」 「うん。」 最後の“うん”は、声が震えていなかったか不安だ。 嬉しすぎて、涙が溢れた。