……そう。

俺は今、みさきの膝の上に頭を預けている。


みさきは、普通にソファーに座ってて。

俺もそこに寝転んでいて。



いつもなら隣に並んで座るところだけど、

今日は、なんとなく、
こうしたかったから……



「…模試の結果、よくなかったの?」



予想以上の心地よさに、すっかり眠くなってきて。

瞼を下ろした俺に、心配そうな声が降ってきた。


……ん?


明らかに勘違いされてるけど…無理もないか。


悟と別れてからずっとこの調子だったからなぁ。



「んー…まあまあ、かな。」



夏期講習に登校日。

1年前に全く同じことを経験しているから。

俺が今日何しに学校に行ったのか…言わなくても彼女は全部知っている。


……俺の成績以外、は。



「まあまあ、って…
航くん、いつも曖昧にごまかすよね?本当は…「大丈夫だよ。」



成績は、大丈夫。

油断はできないけど、
このまま頑張れば、おそらく平気。


悟はああ言ってたけど、
推薦してもらえるなら喜んで受けるつもりだし。




「みさきは、何も心配しなくていいよ。」