「……航くん?」


「んー?」


「今日…何かあった?」


「…なんで?」


「だって……」



――夜。

我が家のリビングにて。


一緒にいるのは、もちろんみさきで。

珍しく、母さんもアイツもいなくて。


久しぶりに水入らず?

何の気兼ねもなく、
思う存分好きなことができるわけで…



「なんか、いつもと違う」



みさきがぽつりと呟いた。



「こんなの…初めてじゃない?」



……そうだっけ?

うーん…。記憶を手繰り寄せてみる。

確かに、“これ”はしたことなかったかも。



「いいじゃん?たまには。
って言うか、これからは日課にしよう。」


「えっ?」


「なんか、すっごい気持ちいいし?」



ゴロンと向きを変えて、みさきの顔を覗けば…



「……っ」



なぜか顔を赤くして、めちゃくちゃ焦ってるし。

そんなに動揺するようなことかな?



「いいもんだよ?
“彼女の”膝枕って。」