母さんの子供は、俺だけじゃなくて。
俺の親は“母親”だけじゃない。
それは、たとえ家族がバラバラになったとしても変わらない事実。
俺は別に、
“父親に会いたい”なんて思わないけど、
母さんは違う。
父さんにだって会いたいだろうし、
何より、
“置いてきた息子”と会いたくてたまらないはずだ。
そして、たぶん
アイツのほうだって…
だから、
俺には反対する権利はない。
俺とアイツの確執と、
アイツと母さんの結びつきは別次元の問題だから。
母さんがそれを望むなら、好きにすればいい。
でも……
やっぱり、この生活はキツイよなぁ。
みさきを起こさないようにそっとベットを抜け出して。
飲み物でも取りに行こうとキッチンへと向かった。
彼女に指摘された通り、これからが俺の勉強時間。
でも、それは切羽詰まってるからとかそんなんじゃなくて……
「……あ。」