「……え?」



み…さき…ちゃん?



「しっかりしてるし、家事は完璧だし美人だし。

おとなしくて控えめな……“大和撫子”タイプ?

あれだけできた娘は、今どきなかなかいないわよ?」



まさに“ベタ褒め”。


まるで自分の娘のことのような自慢っぷり。


本当に気に入っているみたいだ。


でも、それって……



「何より、素直なところが可愛くてねぇ。

“航が大好き”っていうのが全身に表れてるんだもの。」



ふふっと、楽しそうに笑う母さん。



「航も航で、みさきちゃん以外は眼中にないって感じだし……

見てるこっちが恥ずかしくなるくらい、仲がいいのよ。あの2人。」



“つき合い始めた”と言うのは聞いていた。


でもまさか、続いているとは思わなかった。



「昔のこととは言え、

あんなのを見せつけられたら、櫂もきっと妬いちゃうわよ。」



母さんの言葉に邪気はない。


だってもう“過去のこと”なんだから。


こだわっているのは


俺だけだったんだ――?