「あの部屋、寝心地は悪くないですか?」
ミネラルウォーターを一口飲んで、彼女が俺のほうに視線を向けた。
暗がりでも、そのくらいはわかる。
「あそこ、エアコンの効きが悪いでしょう?」
「……ああ、大丈夫。」
「ならいいですけど……」
平然を装っているつもりでも、心臓はあり得ないくらいの音を立てていた。
これは緊張なのか?
それとも嫉妬?怒り?
見てしまったことへの罪悪感?
彼女の様子からして、
“見られた”ことには気づいていないだろう。
でも、俺は気づいてしまった。
そういう目で見ていたから、気づいてしまったのかもしれない。
さっき、
冷蔵庫の明かりに照らし出された彼女の白い肌。
胸元の開いたワンピースと、無造作にまとめられた髪の間に見えたもの。
それは、
さっきまでの行為を如実に物語る……
「……何やってんの?」