「……あ。」
あのままベットに潜り込んで、いつの間にかうとうとしていて。
ハッと目覚めたときには真夜中だった。
嫌な汗をかいたせいか、喉はカラカラで。
躊躇いつつも、キッチンへ向かった。
リビングに誰もいないことを確認して、安堵して入ったのに……
「起きてた…んだ?」
彼女と出くわしてしまった。
「あー…ちょっと喉が渇いちゃって。」
困ったように笑った彼女の手には、ミネラルウォーターのペットボトル。
冷蔵庫から漏れる薄明かりのみの空間。
電気を付けようかと伸ばしかけた手を、慌てて引っ込めた。
……このままがいい。
さっきのことを思い出して、彼女を直視できないだろうから。
「先輩もお水ですか?」
差し出されたペットボトル。
「……ありがとう。」
受け取るときに、ちらっと見えた彼女の姿は、
おそらくパジャマであろう白い…袖のないワンピース。
彼女の白い肌共々、薄暗い中で浮かび上がって見えた。