……子供って怖い。
一体いつ、どこで。
何を見られてるかわかったもんじゃないよなぁ…
「だから、パパがちゅーしてきて?」
「…へっ?」
「ぼく、えほんのつづきがしりたいの。」
あくまで無邪気に。
キラキラと、期待に満ちた瞳で俺を見つめる樹。
「ダメだよ、いっちゃん。
ママおこしたらかわいそうでしょ?」
すかさず止めに入る、“お姉ちゃん”の美波。
「でも…ぼく、きになってねむれない。」
「それはみなみだっていっしょだよ。」
「………。」
じーっと。
まるで仔犬のような瞳で俺を見つめる子供たち。
……まったく、もう。
「わかった。わかりました。パパが読んであげます!」
『ホント?』
ハモってるし…
「ただし…」
――さっきの話は、
ママには絶対に内緒だよ?