「……今、何時?」



そのまま、

ぴったり寄り添って。


再び寝に入ろうとしたとき。


みさきがふいに顔を上げた。



「んー?9時…すぎ?」



枕元の時計を確認しながらぼんやり答えれば…



「えっ?ウソっ」



なぜか驚くみさき。



「どうかした?」


「どうか…って。航くん、学校は?」


「あー…そっか。休むよ。“自主休校”。」


「それはダメでしょ?
今、大事な時期なんだから…って、ちょっと!」



起き上がろうとしたみさきの腕を掴んで引き寄せて。

俺はみさきの頭を自分の胸に押しつけた。



「みさきには言われたくないけどなぁ…」


「……え?」


「去年の今頃、けっこうサボってたよね?」


「……っ!」



俺のとこに泊まって。

やっぱり、こういうことになって…そのまま?



「そ…それはそうだけど…航くんは……あ!そういえばおばさんは?」


「えー?」


「おばさん、帰って来てるよね?…どうしよう。私…」



次から次へと忙しいなぁ。

…まぁ。なんか可愛いから許すけど。



「母さんは、気づいてると思うよ?」


「え…?」


「それで、黙認してくれてるんだと思う。」