――私を“好き”でいてくれて、傍にいてくれるなら…理由なんてどうでもいいと思ってた。
みさきの言葉で、気づかされたんだ。
俺はずっと、アイツにこだわっていて。
ずっと“過去”に囚われていた。
みさきを好きになって。
はじめて、自分の“未来”が見えた気がしたのに…
そこにもやっぱり、アイツの“影”があって。
俺が“過去”から逃げられることはなくて…
みさきへの想いと、
アイツへの想いは別。
切り離された感情。
そう、思っていたのに…
実際は、違っていた。
どちらの想いも本物で。
みさきへの愛情は嘘じゃない。
でも……
俺は、それを切り離すことができなかったんだ。
だから、
みさきを傷つけた。
“過去”を見ていたのは、俺だけで。
みさきは、
もうずっと、最初から。
俺との“未来”だけを見てくれていたのに――