悟の言うとおり、

俺は、もうずっとみさきに会っていない。




不調の原因は、それだ。

それがすべて。



悟は、ああ言ってくれたけど…

俺はみさきには会えない。


会いたくても、会えない。

会うことは許されない。





だって、あの日。

みさきが部屋を飛び出して行ったとき。


俺は追いかけることができなかったんだから……









―――……

――…




――航くんは、“私”を見てないでしょう?



みさきは言った。


俺は、アイツを通してみさきを見ていて。

アイツのことがあったからみさきを好きになったんだ、と。



……そんなわけない。

冗談じゃない。絶対に違う。



わかりきったことなのに。

すぐにそう言ってあげればよかったのに…




俺は躊躇ってしまった。


そして、気づいてしまった。




俺はそれを

完全に否定できない、ってことに――