例えば、一緒に歩いているとき。
「わっ。危ない」
よろけた私を支えてくれる腕は、やっぱり“男の子”で。
肩幅とか、骨格とか…
明らかに私とは違うことを実感する。
でも、それにドキドキしたりは…しなかった。
そのとき、航くんはまだ私より少し大きいくらいで。
本当に、“かわいい”って感じだったし。
だから…
まさか、
航くんの行動すべてにドキドキさせられるようになるとは思わなかった。
その腕に、
抱かれる日が来るなんて思いもしなかった。
航くんがいないと、こんなにも寂しくて苦しいなんて……
あのときの私は、
想像もしなかったよ。
「ちょっとお風呂の用意してくるね?」
お店を出て。
茉奈のアパートに着いて。
あれだけ飲んだにも関わらず、茉奈はすっかり酔いがさめたらしく…
張り切ってバスルームへと消えていった。
「…なんか、私のほうがヤバイかも。」