「それを知ったのは、つい最近なんだけど…」
知って…たんだ?
まどかに聞いたのかな?
それとも…
「聞いたとき、私はすぐに納得したの。」
「……?」
「あの子なら…あの子だから、実咲ちゃんは大丈夫だったんだなって。」
「え……?」
意味がわからない。
聡子さんは航くんを知って…って、そうか。
まどかと航くんが幼なじみってことは、
聡子さんとも知り合いってわけで…
「まどかに聞いてると思うけど、私も成海さん…今は水沢さんか…とは仲が良かったのよ。」
…やっぱり。
「だから、航くんのこともよく知ってる。」
そう…だよね?
おばさんは何も言ってなかったけど、たぶんそこから聞いたんだろうな。
「あの子になら、安心して実咲ちゃんを預けられるって思ったわ。」
すごく、いい子だったから。
聡子さんは言った。
「でもね、」
さっきまでとは、一転。
聡子さんの表情が曇る。
「同時に、不安もよぎったの。」
「え…?」
「あの子は実咲ちゃんを理解して、丸ごと受け入れることができたけど…
実咲ちゃんには、それができないんじゃないか、って。」