お父さんも、
聡子さんもまどかも。


家に帰るようになった私に対して、驚きを隠せなかったみたいで…


最初は、明らかに戸惑っていた。


今だって。

何も聞いてはこないけど、絶対に変だと思っているに違いない。



でも…


“家族”が揃うことを、
喜んでいるのも明らかで。


お父さんが早く帰って来て“4人”で食卓を囲む日も増えたし。

聡子さんも、私にいろいろと家のことを任せてくれるようになった。


何より、
まどかはこの通り。

私にべったり甘えてくるようになった。



理想的な“家族”。

“普通の”家庭。



お父さんたちが作りたかったのは、

きっとこういうのなんだと思う。



温かくて
やさしくて

愛に満ちた場所。




ここには、
私の“居場所”もある。


最初から、
用意されていて。

決してなくなることはない。


私はここに居てもいいのに。




……なんでかな?


私はそこには入れない。



居心地が悪くて

仕方ないんだ――