「……今日も?」
アイツが家にいるとき。
隣の部屋にいるって知ってるのに…
タイミングを見計らうかのように、俺はみさきを抱いた。
いや…
毎回“わざと”ってわけでもなくて。
“たまたま”重なるときもあったわけだけど…
俺は決してやめなかった。
母さんがいるときはしない。
みさきが嫌がるから。
だけど、
アイツがいるときは、
みさきがどんなに嫌がってもやめられない。
「…最近、変だよ?どうしちゃったの?」
みさきに何度も言われた。
焦りなのか。
怒りなのか。不安なのか。
じわじわと追い詰めてくる“何か”に、俺は常に怯えていて
それを払拭するみたいに、みさきに触れ続けた。
明らかに、いつもとは違う自分。
「やっ…航く…」
それに気づきながらも、
俺を受け入れてくれるみさきに甘えて。
みさきの、俺に対する想いに甘えた。
みさきを
傷つけていることにも気がつかずに―――