……結局。


あの後、何度も。

何度も何度も何度も!


母さんは俺の部屋にやって来て。


「みさきちゃん、みさきちゃん」って。


いい雰囲気になるたびに邪魔をしてくれて…




ったく。

今まで、こんなことなかったじゃん?


みさきが来てても、これほど構わなかったくせに。


もしかして…

母さんも、みさきがいなくて寂しかった…とか?



そういや、

この1週間、やたらみさきのことばっかり話してたような…




「…航くん?」


「んー?」



もうぐったり。


ベットに伏せていた俺が顔を上げると、



「私、そろそろ夕飯の支度するね?」



立ち上がって、
みさきは部屋から出ていこうとしていて。



「え?もう?」



慌てて時計を見れば…

確かに。いい時間だけどさ。



「おばさんのリクエストって、結構時間がかかるし。それに…」



ちらっと、隣の部屋のほうへと視線を向けるみさき。



「先輩も、帰ってきたから。」