「ハイ。これ…」



シャワーが済んで。

リビングに入れば、みさきはキッチンに立っていて。


俺に気づいて、冷蔵庫からペットボトルを出してくれた。



「…ありがと。」



受け取った俺に、柔らかく微笑んで。

再び作業に戻る。


…さっきのことは、気にしてないみたいだ。


胸を撫で下ろしつつ、みさきの傍に近づいて…



「今日は何?」



“無邪気に”その手元を覗き込んだ。



「ん?今日はね…」



手を止めて、振り返ったみさき。

その隙に…



「…航くんっ??」



後ろからぎゅっと。

その華奢な身体を抱きしめた。


“禊”も済んだし。

もう、いいよね?



「やぁっ…ちょっ…危ないから…」



首筋に顔を埋めて。

さらにぎゅーっと抱きしめて…


みさきの匂い。

体温。感触…



…うん。落ち着く。



幸せに浸っていると…




「…航くん、髪冷たいよ。」