「おばあちゃんは、
僕のことがキライなの?」



――小さい頃。

聞いてみたことがある。




「キライだから、いつも怖い顔をしてるの?」



子供ながらに不思議で仕方なかった。

そして、ちゃんと気づいていた。



「キライだから…


僕のことは見てくれないの?」





ずっと、そうだった。


同じ空間に居合わせても、
俺のことを視界に入れようともしない。

俺が何かを話しても、聞こえないフリをする。


完全な“無視”。


まるで、俺なんて存在しないかのように――






あの人の“孫”は、
アイツだけだったから。





テストで100点を取っても

かけっこで1番になっても

俺が褒められることはなかった。



80点でも

3等賞でも

褒められるのは、アイツだったから。



何をしたって、
どんなに頑張ったって、

俺に関心が向けられることはなかった。




ずっと―――















「おかえりなさい。」