触れていない時でも



気持ちが読めてしまうときがある。



だから人の気配が消えるように
音楽を大音量で聴く。




これが習慣付けになってしまった。




そんなある日。


「あの...滝沢さん。」

「・・・」

「た、滝沢さん!!」


クラスの人が
肩を叩いて、あたしを呼ぶ。


「あ、ごめん。 なに?」

「あの...今日、転校生が来るそうで
 滝沢さんの隣、開けとくようにとのことで。」


転校生?


珍しい。


「わかった。ありがと。」

「それじゃ...」


伝言を言い終えたら
逃げていくように


あたしから去っていった。