「俺はそのときのことは
 まだ覚えてる。

 てか一生忘れられないだろうな」


「...ねぇ、殺された人って
 あたしも知ってる人?」


「なんで?」


「あんたの心が、かすかに
 言ってたから」


「...そうか」


「もしかして、身近な人?」


「...あぁ」

「誰?」



「...俺の、親父」


「え!」



彼の口から
その言葉が出たとき


あたしの心に
何かが刺さったみたいに


胸が痛かった。