今までたくさんの人の心を見てきた。


でもこんなに真っ黒な心の持ち主は
初めてだった。



見た自分も
とてつもなく悲しい気持ちになった。



新島は川を見ながら
あたしに言った。



「俺さ、自分の心を
 呼んでもらいたくて
 ずっと叫んでた」


「...え?」


「誰も俺の辛い過去を見てくれない。
 誰も聞こうとしてくれない

 俺自身、それが辛かったんだ」


「・・・」


あたしは今、彼の気持ちを
読まなくても



今思ってることが
分かる気がする。



川をずっと見てる目が
どことなく、冷たいから。