歩く距離を置くように
2人の間を空ける。



でもその距離を
縮めるように



あたしの隣に並ぶ。


「なんでそんなに
 急いでるんだよ」


「...急いでなんかない」


怒ってる感じで
新島に言葉をぶつける。



新島は
あたしの前に出て



歩く足を止めた。



そして、耳元で...



“昨日、俺に言ったこと
 気にしてんだろ?”


優しくささやいてきた。



そのときのあたしの心は


ものすっごく揺れていた。