あの年の6月。


あの頃のあたしは


まだ5歳だった。



いつも通り


近所の友達と遊んでたとき


あることがあたしに身についた。


「ねぇまみちゃん。
 その人形貸して。」

「えぇ~」


友達に人形を貸してもらいたくて
頼んでいたとき


『この人形、まみの宝物なのに。
 貸したくない!』


って声が聞こえた。