「それじゃ、もう
 あたしに関わらないで」


そういい残して
屋上を出ようとした。


そのとき。


「俺は、いいと思うよ」

「...え?」


「その能力
 俺、なんとも思わないから」


転校生はハニカミながら
言ってくれた。


その笑顔と
その言葉に


あたしはちょっとだけ
救われた気持ちになった。



転校生が
あたしの横を通ったとき


耳元で

『俺の名前、
 新島望(にいじま のぞむ)だから』


そういい残して
教室へ帰った。