だんだん気配が強くなってくる。


震えだした体を
必死に押さえる。



「そんなに怖がんなよ」


「...え?」


その声はどこかで聞いた声だった。


顔を上げると



クラスの転校生だった。


「...どうして、ここに?」


転校生は片方の口角を上げて
鼻で笑った。


「あんたこそ。ここは
 立ち入り禁止じゃないのかよ」


「そう、だけど」


そう。ここの学校の屋上は
危ないからって、『立ち入り禁止』になってる。