いきなり横から声がした。アタシの真横から。 翔太はなにかを見て舌打ちして、顔を歪ませている。 え、今の誰の声? 横を見ると、黒い、スーツの、男の人が、いた… 「最後の二人、見つけました」 男の人はなにやら無線で誰かと話している様子。 「なにしてんだ、逃げるぞ!」 放心状態のアタシの手を引いて、翔太は走り出した。 「…逃げられませんよ」