あたりを探すけれど、
食堂に有紀先輩が見つからない。
あたしは一所懸命、先輩を探した。
だが―居ない。
どうしたんだろ…?
『姫乃ちゃんっ!!』
そのときあたしの後ろの背中から優しいくて呑気な声があたしに声を呼びかけた。
え…っ?
あたしは呼び出された背中のほうに体を向ける。
あたしはその人がわかった。
「有紀先輩っ?!」
あたしに勇気を変えてくれた先輩、有紀先輩だった。
びっくりして思わず目を開ける。
あたしの後ろにいたなんてっ!
『やっぱり、姫乃ちゃんだねっ!』
有紀先輩はあたしのびっくりな反応見てニヤッと微笑んでいた。
明らかに楽しそうな声を上げている。