『でね、その奴が、周りの女のことイチャイチャやってるって…そんなあたしはおかしいと思うけど…』


悩んでいたことを呟くともとの笑顔に戻る。



でもお姉ちゃんの言った通り、可笑しいと思えてくる自分も居る。



冷たいのに、イチャイチャするって有り得ないと思う。



『でもね?絶対に好きになったら大変なことおこるって言ってたよ?』



"好きになったら大変なことになる"


別に、好きだったらいけないなんてないはずなのにどうしてなんだろう?



疑問に思いながら続けて話す。



「その、先輩は名前なんていうの?」


『黒木雄大っていうの』


黒木雄大(クロキユウダイ)っていうのかぁ…。



どこからでも優しそうな名前なのに、どうして冷たいんだろう…。


"黒木雄大"先輩という人のことをいろいろ疑問を胸に体育館の前まで歩くと


時刻朝七時八分。


『ひぃ、そろそろ時間だから戻るね?』


時計を見て焦ったのか、足を速めるように駆け足するお姉ちゃん。



「うん…」


その姿見て何もいえないあたし。