そう心で叫んだとき、
誰かが、
あたしの肩に掴まれていた手が離され、
低い声が言う。
『ナンパなんかしないほうがいい』
とあたしが愛しい声が聞こえた。
あたしは目の前を見た。
その瞬間嬉しくなった。
それは―
あたしが好きな人があたしを助けてくれたって事。
なんだか、
つい言いたくなってしまう言葉が溢れる。
だけど、
迷惑だと思いあたしはその気持ちを飲み込む。
あたしは、先輩を軽く見上げた。
先輩が格好いいと思ってしまい頬を赤くする。
『お前、何を見ているんだ』
それをみてイヤだと思ったのか、あたしに睨んできた。
けれどあたしは涙がでてきた。
嬉しすぎる。
こんな不器用なあたしを守ってくれるなんて。