そしてあたしが分かるように、丁寧に有紀先輩は話してくれた。


強がっていたと。


だから、あんなに冷たくするんだ。


すこし、気持ちが楽になってきた。


さっき苦しかった気持ちが剥げてすーっと開放感があるような気持ち。


『でも、姫乃ちゃん。きっと、アイツ姫乃ちゃんなら変えられると思うんだ…


姫乃ちゃんの話になるとおかしい反応するの…』


でも、あたし…先輩のこと変えられる?


あたし、

一度も素直な笑顔なんて見たことないし、おかしい反応も見ていない。


そんなあたしが変えられるなんて…。



『いつもみたい笑うんじゃなくて、恥ずかしがるの。この前、屋上にいるときなってた』


有紀先輩は、あたしをみてちょっと笑いながらあたしに言った。


あたしはその言葉に驚くばかり。



え?


あたし、屋上のとき”苦笑い”とかしてたのは…あれは、恥ずかしがってたの?


…でも、あたしはわかんない。

だって、断れたんだもん。


断られたことには変わりない。


なのに、有紀先輩はにこっと笑う。



『だから、アイツを変えて?もし、辛いときはこれに連絡して』


そして…あたしに差し出したのは携帯番号、クラスが書かれている名刺が差し出された。




あたしは、戸惑いもなく受け取った。



もし、これで本当に変われるのなら…


先輩の思ってることを変えてみたい、分かってみたい。



あたしは先輩の話し聞いて、勇気がでた気がして涙はあっという間に枯れていた。



『じゃぁ、またね?』


その姿を見て有紀先輩は教室を出た。



―でも、ここから悲劇が始まった―