彼女の笑顔がすごく爽やかだった。
『ごめんね、来ちゃって?あたし、どうしても姫乃ちゃんの恋応援したかったんだ…』
申し訳ないそうにあたしに言う先輩。
「ありがとうございます…」
ハンカチを取ってあたしは涙をふき取るとお礼をしたのにまだ笑っている。
"応援”なんて、してくれて嬉しかった。
先輩なら、無愛想に"俺なんか恋なんて関係ないから"とか言うんだろなぁ…。
心が落ち着いて、もう一度お礼をすると、有紀先輩は首を横に振る。
『いえいえ。それより、雄大が姫乃ちゃんに冷たくいっちゃってごめんね?』
え…?
どうして、庇うんだろう?
なんか前にも見えたんだけれど、すごく黒木先輩と親しくしていたような…。
はぁ…そう思うと苦しいから止めよ…。
溜息を一つ吐くと、有紀先輩は口元を緩めた。
『庇ってるんじゃないんだよ?これは、あの雄大があやまらないから代わりにしてるだけだよ…』
先輩はあたしが”どうして庇ったんだろう”と思っていたのを分かっていたのか、笑ってあたしに言った。
あたしは”ぁぁ~”と納得するように頷く。
『雄大、実は…寂しがりなんだ。
こう見えて冷たいって思うけど思いやる人なんだ。
だから、ひどいとか思わないでくれる?
それと…たぶん噂で聞いたと思うだけど。
”笑顔”
になったのは、大切な人ができたと思うんだ。
それは…まだ謎なんだけどね』