"黙ったこと"……?
言葉にドクンと心臓が跳ね上がる。
奥底くの冷たい眼差しを逸らし、覚悟と迷いがあたしの頭を彷徨う。
「えっと…」
息をごくっと飲み込む。
本当に…言っても。
『泣いたり、一体なんだ?』
優しい発言に、あたしは唇を噛み締めて涙を抑えようとする。
―怖くて、鋭い眼差しがこっちを見て捉える。
だけど…。
本当に…大丈夫かわかんない。
だって、本当の事いったら冷たくされるのが怖い。
もし…あたしが言ったとしても先輩がそのことを承知してくれかどうか…で。
口を噛み締める。
だけれど、あたしの目を捉えるのは、屋上の時よりあたしを強く冷たい目つきで先輩はじーっと見つめる。
正直、怖い。
見抜かされそうで、怖い。
だけど…言わなきゃないもかわんないよね…。
そして―
あたしは口を大きく開けた。
「あたし…どうしても、先輩が…す、す……すっ好きだから泣くんですっ!」
そして、教室に響く音声。
心臓ばくばくで顔がどんどん上昇していくのが身体で感じる。
だが…先輩は変わらなかった。