お姉ちゃんを見ると、


"ばれたのかなー?!"


焦っているような汗がどばーっと出ているし、目が物凄く泳いでいる。


明らかにばれたという顔が見え見え。




『じゃ、帰るね?ひぃ…!』


動揺した顔をしてあたしに近づいて姉ちゃんは耳に囁いた。


”今日はすまないから!”


あたしを睨みながら教室を出て行った。



教室にいるのは二人。


それを思うとさっき、のどきどきより鼓動が速く動く。


やばい…


気まずいよ…。


あたしだって、彼の目を見てしまうとどきどきがたまらないし…


どうしたらっ?!


あたし、先輩に目を向けられるのかな?



どうしようと焦りながらも先輩に引きつった笑顔で笑う。




『佐倉さん…?』



先輩はそれをみて心配そうなに訊ねる。


でも、どきどきが止まらない。

すでに、心配そうな声で涙が溢れてきちゃいそう。



駄目!

がんばるだからっ!