「何、させったって…?」


あたしが、何かした?


そんな疑問を持ちながら、舞に訊ねる。


『やっぱり聞いてないんだ』


深い溜息を吐いた後、舞は話し始めた。



『なんか、あたしの2年生の知り合いに聞いたんだけど、笑顔になったって…いってたの。


それで、姫乃じゃないかってなってるの!』



あたしが、笑顔にならせた…って事?


あたしは舞が言った言葉が頭の中をぐるぐる回る。



そんな事なんて聞いた事無かった。


確か昨日…

あの条件をつけてた。



”危ないときは助けること”




黒木先輩はあの眼差しをして去った。



あれきっりは会っていない。


”笑顔”


あたしは一度も見たこと無いし…


彼は見せない。



でも、あたしは何もしてないと思う。



きっと、誰かが…


したんじゃないかな?


あたしは先輩のこと思い浮かべているけれどやっぱり違うと確信した。