お姉ちゃんの噂…。


”実はね、雄大先輩って、佐倉麻友ってここの優等生がね好きらしいの!”



入学式聞いたあの話がお姉ちゃんの噂だった。


だけどお姉ちゃんは否定していた。


”付き合う関係じゃない”って。


なのに今になって噂が流れ始めている。


そんなの……許せない!


お姉ちゃんはたしかに優等生。


完璧で最高のお姉ちゃん。


だけど、これまでおねえちゃんの話は全部しってるけど雄大先輩のことなんか話しなかった…。



なのに…!!



『誰だっけ?』


唐突、彼女があたしに訊ねる。


「あ、あたしは佐倉姫乃です!それと、お姉ちゃんは雄大先輩と言う人とは付き合ったことありません」


あたしは彼女をじっーと睨みながらも彼女に言いたいことを言った。


すると彼女は”え?”と間抜けな顔をしていた。


『嘘?そうだったんだ。

ってっきり付き合ってると思った!』

あたしが、目も熱くなるくらい怒ってることも知らずさらっと能天気に言う。


ムカつく!!

お姉ちゃんに、ひどいことを!!


あたしはムカついて彼女に近づこうとしたとき彼が口を緩む。


『あのさ、佐倉さん。』


「え?」


あたしは彼の言葉に足を止めた。